株式会社MTGはヘアケア商品等を取り扱うReFaや筋肉に直接的な電気刺激を与えるトレーニング機器SIXPAD等の開発・販売を行っている上場企業で、2018年7月に東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。本記事はMTGがどのような会社なのか紹介しています。
基本情報
時価総額 | 770億円 |
予想PER | 23.2倍 |
実績PBR | 1.72倍 |
ROE | 5.28% |
ROA | 4.04% |
配当利回り | 0.78% |
事業概要
美容・健康関連商品の開発・販売を行っています。MTGのブランドの中でもReFaが売上高に占める割合が最も高く70%以上を占めるため、ここではReFaについて詳しく見ていきましょう。

ReFaとは?
ReFaはMTGの売り上げの70%以上を占めるブランドです。主に以下の商品を取り扱っています。また、ブランドアンバサダーとして榮倉奈々さん、山田裕貴さんを起用、TVCM等で積極的なプロモーションも行っています。

ヘアケア | ドライヤー、シャンプー・トリートメント |
シャワー | ウルトラファインバブルのシャワーヘッド |
ムダ毛処理 | フェイスシェーバー |
美容機器 | 美顔ローラー |
ブラシ | 静電気を軽減し、髪にツヤを与えるコーム |
コスメ・インナーケア | GABA配合の機能性表示食品 |
SNSでインフルエンサーが紹介して品切れになった商品もあります。ここでは人気の商品を2点ご紹介します。
ReFa HEART COMB Aira(税込2,970円)
特殊な加工により髪にかかる負担を軽減し、髪にツヤを与えます。折りたたみ式のハートのデザインから自分用・プレゼント用としても人気で品切れになった商品です。
他社のコームで人気の商品として株式会社 YC・Primarilyの「LOVE CHROME(ラブクロム)」や3COINSの「メタルコーム」が挙げられます。LOVE CHROMEはReFa HEART COMB Airaよりも価格が高く、安くても5,000円以上の商品がラインナップされています。また、3COINSのメタルコームは価格が税込2,200円と安価ですが、ヘアケア商品としてはReFaの方がブランドイメージが良さそうな印象です。楽天のぶらし・くしランキングでは、1~5位をReFaが独占(2025年3月9日時点)していて、ReFaブランドの人気がうかがえます。

ReFa FINE BUBBLE U(税込33,000円~)
ウルトラファインバブルとマイクロバブルの2種類の泡により、毛穴の奥まで汚れを取り除くだけでなく、角層に潤いを与えます。楽天のシャワーヘッドジャンルのランキングで1位を獲得、ファインバブルシャワーヘッドの国内メーカーシェアNo.1※といった実績があります。
※富士経済「美容&健康家電市場・関連サービストレンドデータ2023-2024」
ファインバブルシャワーヘッドの2022年国内マーケットシェア

ReFaの商品はどこで買えるの?
自社のオンラインショップの他、楽天やAmazon でも取り扱っています。また、百貨店や家電量販店内のReFa SHOPでも購入が可能です。
業績の推移
MTGの業績は以下のようになっています。

売上高は4年連続で増加しているものの、営業利益が伸びていないことがわかります。2024年9月期の決算説明資料によると、売り上げの増加とともに販管費も増加しています。販管費の中でも新製品開発のための研究開発費用が増加しています。
MTGの特徴・成長性
商品開発力
MTGは毎年新商品を多数導入しており、その数は年々増加しています。新商品売上比率は、50%前後で推移しており、2025年9月期もその傾向は継続する計画です。MTGは2024年9月期だけで新商品を133アイテム導入しています。
このようにヒット商品を継続して生み出せる開発力はMTGの強みと言えるでしょう。
一方で、新商品の売り上げに占める比率からもわかるように、新製品の投入数が減少すると売り上げは減少していくことが予想されます。今後も継続して成長していくためには開発費を削減することは難しいと考えられます。また、ヒット商品の開発に強みがあるとはいえ、100%売れる商品を作ることはできません。想定した売り上げ数を達成できない状況が続くと利益が減少し、開発に充てる資金が不足していく悪循環にハマってしまうことが懸念されます。
ドラッグストアにも販路を拡大
現在、MTGの商品はECサイト、ReFa SHOPの他、LOFTやPLAZA等でも一部取り扱いがありますが、今後はドラッグストアにも販路を拡大していく計画です。シャンプーやトリートメントだけでなく、ReFa HEART COMB Airaのような人気商品も配置するようです。
ReFa商品はそのデザイン性も人気となっている理由の一つです。ECサイトがあれば近くに店舗がなくても購入することができますが、ドラッグストアへの展開が始まると、ReFaを手にしたことがない客層にもアプローチできるので、売上高の増加が期待できます。
消費者の年齢幅の拡大
2024年9月期の決算質疑応答資料によると、消費者の年齢層が拡大しているようです。小・中学生でReFaを使っていた層が、高校生・大学生・社会人と年齢を重ねる毎により単価の高い商品に興味を持ってくれる可能性があります。筆者がReFa SHOPを訪れた際も小学生がReFa HEART BRUSH(リファハートブラシ)を父親に買ってもらっていました。
まず、我々の消費者の年齢幅が、急激に拡大しております。具体的には、ReFaブランドは、元々70代~80代のお客様はいらしたのですが、最近では、小学校5年生~6年生ぐらいの方から、ご両親を含めて3世代でReFaショップに来てくださいます。(中略)お孫さんがおばあちゃんと一緒にReFaショップに行こうということで、ブラシを買いに来てくれて、そのきっかけで、おばあちゃんもドライヤーを買っていくとか、高額なブラシを買っていくとか、2世代そして3世代でご来店いただいております。 小・中学生の方々に、まずはハートブラシやハートコームアイラでReFaを知ってもらい、(中略)将来アイロンやドライヤーを購入いただけることを期待しております。まだまだ、国内だけでも伸び代はたくさんあると実感をしております。
株式会社MTG 2024年9月期 決算質疑応答
まとめ
本記事では、MTGの事業をReFaを中心に紹介してきました。ブランドとして人気を確立したReFaが消費者層や販路を拡大していくことで、MTGの成長を牽引していくことが期待されます。しかし、新製品が売り上げの多くを占めることから、今後も継続してヒット商品を生み出していけるかが成長の鍵になりそうです。本記事で紹介したBtoC以外にも、サロン向け販売やReFa Room(ReFa製品を体験できるホテル)の展開といった取り組みを行っており、ReFaというブランドは今後も広く浸透していくのではないでしょうか。
2018年にテンバガーを達成した美容機器メーカーのヤーマン(6630)のように株価が伸びていくのか、今後の動向に注目したいと思います。